社会の分断、意見の対立が起きた時に誰の意見を信じればいいだろうか?

タイトルの疑問について、コロナパニックを通じて考えてきた。自分は専門家を信じればいいと思っていたタイプであった。しかし、コロナパニックで「初めての問題に専門家はいない」「分野によって専門家のレベルが(以下自粛)」ということがわかった。コロナは自分で結構調べて、やや専門家に近くなってしまったが、問題が起きるたびに毎回そういうことをするのは大変なので、楽して正しい意思決定をする方法を考えていた。行動経済学・心理学の本を読みながら考え見えてきたのは、以下3つのタイプの人の意見は聞くに値するということである。

1) 自腹でお金・生活を賭けている人

前のエントリーでも触れたように、お金や生活を賭けている人は本気なので、バイアスから抜け出しやすい。

2) prior beliefから意見を変更した人

一貫している人は最初から正しい可能性もあるが、バイアスに囚われている可能性も高い。意見を変更した人というのは、追加で得られた情報から判断を変更しており、prior beliefに囚われていない可能性が高い。
例えば、「コロナはインフルよりも数倍以上危ないと考えるか?」について、以下の意見の人の意見は聞く価値がある可能性が高いということである。
  • 最初は数倍以上危ないと思っていたが、今はそう思っていない人
  • 最初はそう思っていなかったが、今は数倍以上危ないと思っている人
そして、前者と後者で人数を比較すると、どちらが正しそうかも見えてくる。ちなみに自分は3月末まで立派なコロナ脳である。新ワクチンについても実際のデータが出てくる前から「接種する/しないべき!」と断言する人と「実際のデータをみながら判断したい」と言う人だと、前者の方がわかりやすくて人気があるが、意見を聞くべき対象は後者の人である。

3) 自分の意見と世間の意見を別に予想している人

2)の方法の欠点は時間がかかってしまうことだ。日米開戦への反対意見が開戦・終戦後に増えたところで、もう時は遅い。不確実だが、今判断しなければいけないときにどうするか?そこで、前のエントリーで紹介した "Surprisingly popular vote" である。

民主的に衆愚政治を防ぐ方法: 賭け市場 & Surprisingly popular vote方式

詳しくは上記エントリーだが、賛否が分かれるイシューについて、自分の意見と世間の意見の予想を聞き、以下4つのパターンに分けて、集団思考に囚われずinsider情報で判断している人の意見を重視する方法である。
  1. 自分は賛成、世間も賛成すると思う
  2. 自分は賛成、世間は反対すると思う
  3. 自分は反対、世間も反対すると思う
  4. 自分は反対、世間は賛成すると思う

1) 自腹でお金・生活を賭けている人、2) prior beliefから意見を変更した人、3) 自分の意見と世間の意見を別に予想している人 の意見を聞くことで、専門用語満載の医学論文等を読み漁らなくても、巨人の肩ならぬ、冷静な人の肩に乗っかって楽して正しい判断ができそうだ。

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