Posts

橘 玲ファンには既知・当たり前の話が多いが復習用に: 『臆病者のための億万長者入門』 橘 玲 (著)

Image
橘 玲氏の著作は20年前ぐらいから時々読んでいて、これまで累計10冊近く読んできたと思う。すごいファンというわけではないが、考え方が近く、常に情報収集・勉強されているので、薄いファンとして時々著作を拝読している。今回はKindleストアで目についたこちらの本をポチって読んでみた。   雑誌の連載を再構成したのか、内容の重複や行き来があって本の構成としては正直甘い部分はあるが、読み物としても楽しいので、あっという間に読了。橘 玲ファンとしては、既知・当たり前の話が多いが、橘 玲氏の投資への考え方を復習するには悪くない新書本である。 日本円の為替レートについての記述、頭が刺激された。購買力平価理論でみると/実質為替レートでみれば、いまは「歴史的な円安水準」というのは確かにそうだ。デフレかつ円安というのが異常であれば、将来は以下の2通りのいずれかの方向で修正されるはずだ。 日本経済のデフレが続いて、円高になる  円安が続いて、日本経済がデフレからインフレにシフトする  しかし、どちらの方向に修正されるかが読めない。1なら円建て金融資産・収入を持っておくべきとなるが、2なら円建て金融資産・収入は減らして外貨建て資産・収入増やすべきと逆の投資行動が必要になる。1でも2でもどちらにも適応できる投資行動としては日本の不動産や内需株への投資だろうか。日本の不動産、相場がいいうちに売ってしまうことも考えていたが、ホールドを続けてみるか。 以下は、復習していた自分が「これ、頭に入れておかないと」と思ったポイント。 資本主義における株式 資本主義とは、複利とレバレッジによってバランスシートを拡張していく運動のこと 長期的には市場は拡大し、経済成長率がプラスになると考えるならば、レバレッジ効果のある分だけ株式投資は金利商品(債券や預金)よりも投資収益率が高くなる。 個人投資家の投資法 インデックスファンドによるドルコスト平均法では、株価の暴落こそが投資の最大のチャンス。  個人投資家にとってもっとも合理的な投資法がひとつだけ存在することがわかる。それは、「暴落を待って、株価が回復するまでドルコスト平均法で分散投資をすること」  為替レートへの誤解 インフレ率の低い(デフレの)通貨は必ず上昇する 異常...

日本人が現代英米式・他アジア式の子育ての考え方と作法を理解するための良書: 『世界標準の子育て』 船津 徹 (著)

Image
 日本人が現代英米式・他アジア式の子育ての考え方と作法を理解するための良書だと思う。厳密さにうるさい方々からは「欧米ってどこ?」「世界標準って何?」「ドイツだと○○だよ」「この主張の根拠は?」という突っ込みがたくさん入りそうな内容であるが、英語圏のオーストラリアで子育てしている日本人としては参考になる書籍であった。    アクティブ・ラーニングで有名なフィンランドが1980年代以前は日本と同じ知識の詰め込み授業と「○×式テスト」による評価をしていたと聞くと、やはり日本の学校教育は硬直的で時代への適応が遅すぎると思わざるを得ない。  1馬力での稼ぎ手でありながら子育てもがんばらないといけないという2つを課せられた過度期の日本人男性として無理ない範囲でがんばりたい。 以下は抜粋・要約メモ。 子育てで伸ばすべき3つの要素は「自信」「考える力」「コミュニケーション力」 「世界標準の子育て」とは、つまりどんな能力を伸ばす子育てなのか?端的に必要な要素は3つであり、「自信」「考える力」「コミュニケーション力」です。 子育ての3つの条件で、もっとも大切なものが「自信」 子育ての3つの条件で、もっとも大切なものが「自信」です。子どもの「自信」を強くすることができれば、子育ては90%成功したといっても過言ではありません。  自信の源泉は、子どもが自分の意思でものごとに取り組んだ時に「自分の力でできた!」という成功体験にもとづいて生まれるものです。 これからの競争社会を生きる子どもは「自意識過剰」くらいでちょうどいい。  欧米社会では子どもを大人扱いして自立心を育てることが最優先 個人主義が浸透している欧米社会では、幼い子どもでも「一人の人格者」として扱います。子どもの個性と意思を尊重し、一人前に扱い、「自立心」を育てることが子育ての最優先項目なのです。  アメリカ人の子育ては「自立心を育てる」目的が根底にあります。だから子どもを褒める時は「一人でできてすごいね!」「人の手を借りないでできたね!」という「自立への賞賛」の気持ちが込められているのです。アメリカ人は「自分の意思で行動できた→褒める=自立を促す」なのです。  子どもが公共の場所で騒いだりすれば、親は即座に子どもをその場から連れ出し、毅...

ブロックチェーンの金融・決済システムへの適用を理解するための良書: 『アフター・ビットコイン: 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者』 中島 真志 (著)

Image
Braveというブラウザの会社の仕事をしているのだが、金融業界で働いた経験があるメンバーが自分しかいないため、Braveの独自仮想通貨BATまわりの業務が自分の担当となった。 仮想通貨交換所や金融当局と話しているうちに、金融・決済システム×ブロックチェーンについても興味が湧き始め、読んでみたのがこの本。 著者の中島 真志氏は、元日本銀行マンで経済学博士・教授であり、決済システムに関する第一人者である。中島 真志氏による『決済システムのすべて』『証券決済システムのすべて』『SWIFTのすべて』は、「すべて3部作」とも呼ばれ、決済業界では必読の書らしい。 このようなバリバリの決済システムの第一人者が書いているので、決済システムの深いところまでわかったうえでブロックチェーンの影響を考察してある良書である。巷のブロックチェーン本は、ブロックチェーンの技術概要を説明して、これを金融・決済システムに適用するとこんないいことがある!で終わっているが、この本はブロックチェーンでできること・できないこと・派生する問題などが、素人にもわかりやすく書かれている、 2019年後半〜2020年初頭のここ最近は、中央銀行によるデジタル通貨のニュースがよく流れているが、FacebookのLibraのような一般消費者での利用しかイメージしておらず、せいぜい中央銀行による通貨発行益・権が民間に奪われるぐらいしかイメージしていなかった。 しかし、この本を読んで、デジタル通貨にマイナス金利を付けることも可能で、中央銀行の大きな政策的ツール・武器になる可能性があることを知った。そして、中央銀行と金融機関の間での証券決済システムには「ファイナリティ」「証券と資金の同時決済=DVP(Delivery versus Payment)決済」という要件が必要で、それを分散型台帳ネットワークで解決するには中央銀行がデジタル通貨を発行するのが一番という洞察もあることを知った。後者は、決済システムの第一人者だから持てる洞察だろう。ちなみにこの本は2017年10月に出版されていて、その時点で著者はすでに色々見通せていたようである。(さらにちなみに2017年10月というのは、ビットコインの価格が猛烈に上昇していた時期であるが、この本はそのバブル崩壊を予想していた。) 金融・決済システムへのブロック...

The Most Exciting Soccer Manga Ever! | "Ao Ashi" by Yugo Kobayashi | 『アオアシ』 小林有吾

Image
This manga is the only one I read as soon as a new comic book is released. There have been a few major soccer mangas such as the classic "Captain Tsubasa". But I believe "Ao Ashi" will exceed them. If you have ever played soccer, I believe you agree with me. "Ao Ashi" is realistic and exciting. Just try reading it. The problem is that there seems to be no English edition yet. If you are interested in learning Japanese, "Ao Ashi" would be an enjoyable reading material :)